Category: クライムサスペンス
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ネタばれにも程がある!クライムサスペンス『ブリッツ』をチネチッタで見た映画の感想文
チネチッタのスーパーレイトショーは穴場
10月某日、ハロウィンイベントの喧騒がわずかにあと引くラ・チッタデッラのチネチッタにて、スーパーレイトショー枠でクライムサスペンス『ブリッツ』を鑑賞してきました。0時過ぎから始まるこの時間帯の劇場は、人が少なく集中して見るにはとても良いです。今回は200席近くある劇場の2割程度のお客さんでした。
いきなりネタばれ突入!ジェイソン・ステイサムはスティーブン・セガールになるのか
【映画を10倍楽しむために!クライムサスペンス『ブリッツ』直前情報まとめ。】で高々とジェイソン・ステイサム時代と謳いましたが、確かにステイサムの時代ではあるのですが、どこか今回の作品を通してスティーブン・セガール臭を感じました。
これは、いい意味でも悪い意味でもあるのですが、個としてのキャラが立っている分、作品の冒険が出来ない。これまでの作品では、トランスポーターで渋みのある男を演じ、アドレナリンで飛びぬけたキャラクターを確立し両極の振り幅を魅せたステイサムなのですが、今回の作品では、アドレナリンばりのぶっ飛びキャラクターを期待してしまった為か、思いのほか暴君な刑事とは感じなかったのです。
これは演出上なのかどうか判別が難しかったのですが、こうしてステイサムの作品を見続けていくと、変わらぬヘアスタイルというのはやっぱりセガール臭を感じずにはいられないのです。作品の設定や役柄は変わっても、変わることなくステイサムが活躍するというのを続けていくのはこの先どうなのだろうと感じずにはいられませんでした。
そろそろ確立されたキャラクターの裏切りを観客に魅せて、俳優としてもうひとつ上のステージの演技を見てみたいと、贅沢な希望が湧きました。
上質なクライムサスペンスのはずが…
広報展開の問題なのか、それとも期待し過ぎてしまったのか、エンターテインメント作品としてはとーっても面白かったのですが、クライムサスペンスとしての作品的魅力は、序盤が最高にワクワクさせられたのみで終わってしまいました。
ほんと前半はすごくいいのです。ステイサムの暴君刑事に、陰湿な情報屋、得体の知れぬ知的な愉快犯と、女性刑事の苦悩、さらにゲイの上司という伏線バシバシの張らせ方にゾクゾクしたのですが、後半に向けて個々のキャラクターの崩壊が始まり、魅力的に描いていた前半の各キャラクターの魅力がどんどんとそげ落ちてしまう演出になっていて、エンターテインメント色を濃くしていきました。
確かにこのアプローチも有りかもしれません。だってとっても楽しく見終わったのだから。でも、ラストで犯人を撃ち殺してしまう部分がどうにもひっかかって、その部分を回顧するたびに、どうなんだ?どうしてなんだ?と深く考えずにはいられなかったのです。
この観客に考えさせる映画という目的で作り込まれた演出ならいいのですが、どうにも腑に落ちないのです。確かに仲間の刑事を何人も無残な死に追いやった犯人は暴君刑事ではなくともはらわたの煮えくり返る思いを持つでしょうが、だからこそ、この結末ではないアプローチが存在したのではないかと思わされるのです。
映画は先読みをせずに純粋に楽しむをモットーに鑑賞を楽しむようにしていますが、クライムサスペンスに関しては、先読みせずには面白さも半減してしまうジャンルなので、先読むことも含めて楽しんで見たのですが、今回の「ブリッツ」に関しては、クライムサスペンスというよりはアクションエンターテイメントと銘打って貰えたら、もっと純粋にこの作品を思う存分楽しめたかなと思いました。
うーん、告知・広報展開って本当に難しい。K-FRONTで広報も担当している身としては非常に勉強になる作品でした♪
本日DVDリリース♪
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